欧米では12才児のDMFT(虫歯、抜けた歯、詰め物やかぶせ物をした歯、を全部合わせた数)が1以下になっています。しかも1本も虫歯のない子供が半数以上います。日本は数年前までDMFTは4前後と先進国の中では飛びぬけて多かったのですが、最近では2前後とだいぶ良くなってきました。しかしこれは後述するように歯科医療関係者の努力のためとは言い切れませんし、リスクのあるグループは相変わらずの状態です。

それではなぜこんなに虫歯が多いのでしょうか。日本の子供は甘いものを食べすぎるのでしょうか。それとも歯を磨かないのでしょうか。実は砂糖の消費量は欧米に比べると1/2ぐらいです。ブラッシングに関しては確かに十分とはいえませんが、1日2回以上磨く人が大多数になってきています。歯医者はしきりに歯磨きをしなさいと言います。テレビのコマーシャルでも「大切なのはプラークコントロール!」などと宣伝していますが、実はブラッシングだけで虫歯を減らすことができたという報告は今まで一件もないのです。

カギはフッ素にあります。アメリカでは1940年代から上水道にフッ素が入れられるようになりました。今では全世界36ヶ国で上水道フッ素濃度適正化(フロリデーション)が行われていますし、天然に含まれるフッ化物を飲料水に利用している国を合わせると62カ国になります。アジアでもシンガポール、台湾、韓国などではすでに取り入れられ、著しい成果を上げています。

フッ素は地球上にあまねく存在する物質で人間にとっては必須微量元素の1つと言われています。お茶、魚、わかめなど私たちの身の回りの食べ物にも多く含まれています。普通は1日に1mgぐらいしか摂取していませんが、必要な摂取量は1mgと言われています。また飲料水の適正濃度は1ppm前後と言われています。

この水道水に自然に含まれているフッ化物の濃度を歯の健康にとって最適なレベルに調整すること、つまり多すぎれば減らし、少なければ添加して調整するのが水道水の濃度適正化なのです。しかし残念ながら日本では強硬に反対するグループがあったり、行政の事なかれ主義のためストップしてしまっています。

現在私たちが家庭で利用できる手段としては、フッ素入の歯磨粉とフッ素のうがい薬(フッ素洗口)の2つです。(フッ素の錠剤とか、フッ素入の塩なども外国にはありますが、日本では販売されていません) この2つを上手に利用することによって虫歯の発生をかなり抑えることができます。是非フッ素を上手に利用して虫歯を予防しましょう。


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